過去に保険で治療してある歯にことごとく問題があり、頭を抱える患者さんは決して少なくはありません。
「顕微鏡治療が良いのはわかるけど、費用の問題が、、、」
今回の患者さんは多数の治療済みの歯に問題がありました。
でもまた同じ治療をしてもなんの解決にもならないので顕微鏡治療をしたいという希望。
患者さんのペースで顕微鏡治療を行い、今も現在進行形です。

前歯の顕微鏡治療が終了し、
「他にも治療しなければいけないところはありますが、ちょっと間をあけますか?」

四街道からおみえになっているので通院も大変だと思います。

右上の奥歯が最近フロスが引っかかるようになったので、このまま治療していきたいとのことでした。

この歯に問題があることは初診の時に把握してましたので、現在の状況の確認をしました。

歯と歯の間に中程度の虫歯があり、すでに大きな銀歯が装着されているので治療はクラウンによる補綴治療を予定しました。

保険インレーを除去すると遠心に虫歯が残っていました。
インレー修復をした時、見えなかったので取り残したのかもしれません。

虫歯を徹底的に除去してから形成を始めます。

顕微鏡を使用する最大の利点は「見える」ことです。
見えることで治療の精度が向上するので、ミラーテクニックが私の診療の基本となります。

歯科医師向けミラーテクニックのハンズオンセミナーを三橋先生が12月に第2回目を開催予定ですが、募集開始後2分で満席になったようです。
私もインストラクターとしてお手伝いしていますが、マンツーマンでセミナーを受けたい先生がいらっしゃれば、当院にてハンズオンセミナーを開催しますのでご連絡ください。
関連記事 顕微鏡ミラーテクニック道場

隣在歯を誤切削しないためにも手探りではなく視覚で形成します。
遠心

近心

第1回目は歯肉縁上に形成ラインを設定し仮歯を作製します。

仮歯の厚みを測ることで本番のクラウンの厚みを調節します。

第2回目から形成ラインを歯肉縁下に設定するのでジンパックで歯肉圧排をします。

形成用のバーはファインバーでほぼ最終支台歯形態まで形成します。

毎回仮歯の調整を行います。

仮歯はつなぎの一時的な役割ではなく、クラウンの形態を模索したり、歯肉との調和を図れるように役割としてはとても重要なものなのです。

おもて歯科医院の顕微鏡治療で行うクラウンは適合精度を重視しているので、今日削って型とって来週冠を被せますということは絶対にありません。

最近患者さんからの問い合わせで、「そちらは治療に顕微鏡を使っていますか?現在顕微鏡治療をするという歯医者に通院しているのですが、全く使わないんです。」
や、マイクロスコープで治療したことがあるという歯でも「何これ?」というものも多くなって来ました。

治療の質を向上させるためには顕微鏡は必須の道具だと確信していますが、顕微鏡を所有している歯医者が全員レベルの高い歯医者とは限りません。

先日浦安市の休日当番でお見えになった患者さんは、「保険の治療でも全て顕微鏡下で行います」と謳っている歯医者さんに通っているのですが、左上の大臼歯を2本同時に根管治療していました。縁下まで歯質がないのに隔壁もしてないし、薄くなった歯質のため破折も心配です。
まさに「何これ?」でした。

顕微鏡治療をやるというのなら、保険でやろうが自由診療でやろうが患者さんにとっては顕微鏡治療です。
顕微鏡治療はきちんとやれば本当に良い治療法なのに、このような顕微鏡治療に泥を塗るような歯医者に心の底から腹が立ちます。

保険でやると謳っているなら保険でも本当の顕微鏡治療を貫いて欲しいです。
保険だからと言い訳しないで。

第3回目にフィニッシングラインの調整をします。

回転切削器具だとコントロールがなかなか難しい場面がありますが、その時は超音波を使っています。
超音波を使うときもあればチゼルを使うときもあります。

仮歯の適合も歯肉のコンディションを整える上で私は大事なものだと考えています。
大事だと考えない歯医者もたくさんいるでしょう。

なんでこんなに回数がかかるの?と言われても適合精度を重視するなら今現在これが最善と考えているからです。

第4回目に型採りをします。
数回にわたる形成と仮歯の調整で歯肉との調和を図り、患者さんにもブラッシングの仕方をその都度説明します。
型採りの日までは歯間ブラシを使ってもらいます。

炎症がある状態では細部にわたる精度の高い型採りはできません。

顕微鏡下で型取りをするとサルカス(歯と歯肉の浅い溝)に確実に印象材を流し込むことができます。

歯肉を圧排する理由は、形成したラインを明瞭化するためです。
普段歯肉は歯に寄り添ってくっついていますが、このままで型採りし石膏模型にするとどこまでが歯で、どこからが歯肉なのか不明瞭になってしまいます。

歯肉縁下に補綴物のマージンを設定するのなら歯肉圧排は必要になります。

精密な型採りができたらここから歯科技工士にバトンを渡します。

当院のクラウン・ブリッジは静岡県沼津の歯科技工士青木さんに作製してもらっています。
藤本研修会歯科技工士青木デンタル
青木さんの歯科技工に対する真摯な仕事ぶりにはいつも感服させられていて、青木さんに補綴物を依頼するには生半可な形成・印象はできません。

それが結局患者さんにとってプラスになることなのだと信じています。

補綴物が納品されるといつもチェックします。
自分の形成を評価するには石膏模型を見るのが一番です。

クラウンの作製が終わった段階での石膏模型なのでチップしている部分のありますが、フィニッシングラインがくっきりと明瞭になれば適合精度を得やすくなります。
今回はフルジルコニアクラウンなのでCAMで削り出しをしますが、CAMは乱れたフィニッシングラインを削り出すことは苦手です。

削り出しの後は必ず歯科技工士によるアナログ的な調整が必要になります。

削り出しのままのクラウンの適合は満足のいくものではありません。

当院がジルコニアクラウンを取り入れたのは数年前なのですが、それまで扱わなかったのはジルコニアクラウンの適合精度を満足のいくものに作製できる歯科技工士を見つけられなかったためです。

口腔内での適合状態

顕微鏡の良いところの一つは倍率を必要に応じて任意に変えられることです。

ルーペだとそれができません。

頬側の適合状態

以上がおもて歯科医院のクラウン補綴治療ですが、決してジルコニアという材料を販売している訳ではありません。

わずか1㎤の歯の形をしたジルコニアに、私が持っている能力を全て注ぎ込み、青木さんが持っている全ての力が詰まっています。

費用 フルジルコニアクラウン 173000円〜
治療回数 概ね5回