前回のブログの続きになりますが、根管治療を終えた後のクラウンの治療です。
日常的に顕微鏡を使いこなし、補綴物の精度にこだわりを持つおもて歯科医院のクラウンによる補綴治療を紹介します。

前回のブログで紹介した、根管治療後のクラウン補綴を紹介します。
おもて歯科医院はルーティンで顕微鏡治療を行っているので、顕微鏡治療が確立しております。

ですから誰の歯でも、どこの歯でも、私の顕微鏡治療の「型」ができているので、お見せする画像がワンパターンになってしまいます。

このワンパターンなブログが、顕微鏡治療を「本当にやっている」証と感じてもらえると幸いです。
でもたまには変化球も投げて見たいですね。

でも今回も安定なワンパターンブログです笑。

根管治療後の補綴物の適合精度が大事なのは、このブログでも口が酸っぱくなるほどお伝えしてきました。

そのためには治療の各ステップが確実に行われていなければいけません。

まず歯磨きです。
口腔衛生状態が良くないと上手くいきません。
プラークコントロールは患者さんの義務です笑。

ここがクリアになれば形成です。
隣に歯がある場合は誤切削にも十分注意します。

この写真は遠心隣接面を形成しているところですが、ミラーを使わないで形成すると死角になってしまい削るところが見えません。

ミラーを使うとご覧のように見ながら確実に安全に形成ができます。

顕微鏡治療を日常的に行っていると、ミラーの位置やハンドピースの位置が自然と所定の位置にいき、いつでもどこの歯でも誰の歯でも似たような写真にあります。

遠心舌側隅角も形成しずらいところですが、ミラーテクニックではこのようにすんなりと形成ができます。

続いて近心隣接面の形成です。
近心の形成はミラーの位置を手前に引き上げることがポイントです。

ミラーテクニックでは遠心は比較的やり易いですが、近心はやややりにくくなります。

顕微鏡歯科医師はここを難なく対処できるのですが、そうではない顕微鏡を使っている歯医者は、自分が見ている視野と手の動きの不一致を上手くコントロールできないので、イライラしてやがて顕微鏡を上にあげ非顕微鏡治療を行います。

右下大臼歯の近心隣接面は舌側から頬側にバーを進めます。
この動きが正確に習得できていない歯医者さんはとても多いです。

これはマネキンで練習を重ねる以外方法はありません。
我流でやるよりはミラーテクニックに長けている人にポイントを教えてもらったほうが上達は早くなると思います。

近心舌側隅角も形成しずらい場所の一つです。

歯軸とバーの軸に気をつけながらトランディショナルラインアングルという変曲点を形成します。
隅角部は2面から構成されるので、ハンドピースのコントロールが重要でありサベイヤーやミリングマシーンのようにバーの軸は固定させる必要があります。
これはハンドピースの持ち方が影響します。

続いて頬側の形成についてです。
右側大臼歯の頬側をミラーテクニックでスマートに形成できる歯科医師は、日常的に顕微鏡治療を行っている歯科医師ではないでしょうか。

「頬側はミラー無しで直接形成だよね」と沢山の会話を聞きました。
一口に頬側といっても近遠両隅角付近に近付くと死角ができてしまい、隣接とバーの位置が見えません。
これは概形成の時に顕著です。

ある程度削除されて見晴らしが良くなった歯ではある程度許容できますが、まだ歯の豊隆が残る概形成の時はそうはいきません。

顕微鏡専門医のクラウン形成ではこの概形成についての考え方が他の歯医者さんとは異なっており、ここを大事にしています。

一般的には概形成は肉眼やルーペで行い仕上げはマイクロで行うという歯医者さんが圧倒的に多いのですが、本当の意味でマイクロで仕上げができる技量があるのなら、概形成からマイクロスコープを使った方が早いと思います。

概形成をミラーテクニックできちんとできていれば、この後に続くステップは使うバーがかわるだけでやる事は同じことの繰り返しになります。

仮歯も適合が良いものに仕上げるには手間がかかります。

即時重合レジンだけではマージンの適合は得られ難いのでフロアブルレジンを併用します。
修復物や補綴物が脱離するという事は致命傷です。
補綴物が歯をカバーしているので、それが緩むと内部の象牙質がむき出しになっている歯に細菌がべったり付着します。
象牙質は象牙細管という細い管が歯髄へと繋がっているため、象牙質への汚染は絶対に避けたいところです。

仮歯で頻繁に脱離するのは要注意です。
仮歯で脱離するなら最終補綴物でも脱離の可能性大です。
セメントの種類はあまり関係ありません。

補綴物のマージンの設定は歯肉縁上が好ましいのでしょうが、日本人の歯冠長は大抵短いので縁下に設定することがほとんどです。

縁下に設定するのなら歯肉圧排は欠かせません。

ジンパックを歯肉溝に入れることが目的なのではなく、歯肉とフィニッシングラインが明瞭に分離されている状態にしなくてはいけないので、ジンパックの位置付けも大事にしています。

そうすることで歯肉を傷つけることなく形成ができます。

印象するときは二次圧排をして確実に歯肉溝を開きますが、なるべく歯肉の侵襲を抑えるために必要最小限の圧排糸の太さにしています。
その際もジンパックの位置付けは大事だと思います。

印象を採る時は歯肉のコンディションが良くないときちんとした印象が採れないので、プラークコントロールは患者さんの義務です笑。

印象は歯科技工士へ渡すバトンです。
彼らはこの印象という情報しかないので正確な印象を渡さなければいけません。

歯科医師、歯科技工士の技術が凝縮された小さなクラウンを装着する際にはまず支台歯を綺麗にしなければいけません。
仮着材や周辺のプラークを綺麗に取らなくてはいけませんが、歯肉を傷つけて出血させないように注意します。
ブラシを使うことが多いのですが、この辺は先生によって違うのでより良い方法があったら参考にしたいです。

綺麗にした支台歯に唾液を触れさせたくないので、終始Zooという器具を使用します。

本当はラバーダムをしたいところですが、クラウンの装着時のラバーダムはなかなかかけられません。
外国ではやっている人もいるのですが、それ無理だろって思うくらい乱暴?なので、う〜んあまり参考になりません。

最終的にセメントでセットしますが、この時のシーティングがずれて浮き上がると今までの努力が水の泡になります。

試適時の感覚をよく覚えておいて正しく所定の位置にシーティングさせることが大事です。

顕微鏡を所有する歯医者は大変多くなりました。
顕微鏡の使い方は多種多様だと思いますが、顕微鏡を見るための道具だと考えるのであればミラーテクニックは避けて通れません。

ミラーテクニックで洗練されていけば、どの顕微鏡歯科医がどんな患者さんのどこの歯を治療しても同じような画像に収束していくのだと思います。

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治療日数 5回
治療費 ジルコニアクラウン 173000円〜