ある歯科医師のフェイスブックでの投稿です。

私が約30年間歯科医療に関わってきて知り得た歯科業界は、概ねこの歯科医師の言っている通りだと思います。
ちょっと言い過ぎな部分もありますが。
自分は違うと反論する歯医者もいると思います。もちろん私が知らないだけで保険で素晴らしい事を行う歯医者さんもいることでしょう。
私も歯科界の全てを知っているわけではありません。
あくまで自分が知っている範囲でのことです。

海外の治療費が高いのではなく、日本の保険治療が異常なほど安いからこの歯科医師の言っている事態に陥ってしまうことは想像はできます。
だって人間だもの。

私が自由診療で顕微鏡歯科治療を行う大きな理由の一つです。
でもね、歯科医師の使命とか患者さんに正直に真摯に向き合うために自由診療の話しをすると気分を害したり悲しい気持ちになる患者さんも多いんです。

保険治療で手早くパパッと終わりGoogleでの評価が高く人当たりが良い歯医者が良心的だと、国民がそう信じているから何も変わらないんです。
治療の内容なんて患者さんは分かりようがないですからね。

保険で顕微鏡を使って水増ししている歯医者にそれはダメだと指摘すると真剣に怒りますからね。
「我々はボランティアで治療しているんだよ!それくらい許されるだろう怒」
と。
患者もそれで喜んでいますからね。
保険でやってくれて良心的だと。

現在の仕組みをぶっ壊して歯科医師として誇りを持てるような世界を作りたいと真剣に思っています。
社会保障を考えるのは政治家の仕事なので私達は政治にも関心をもちたいものです。

日本人は生ぬるいのが好きだからなかなか難しいですが。
歯医者も患者も。
結局保険が一番楽なんだと思います。
思考停止でいられるから。

歯医者は歯医者で保険でやってるのに患者の要求が高すぎると思ってるし、患者は患者で異常なほど安い治療費でしかも歯医者の過当競争もあるから保険で質の高い歯科治療が受けられると思ってるし。

要領のいい歯医者はこの微妙なバランスを保ちつつ見かけだけの笑顔を作って流行る歯科医院で大成功するし、実際そんな歯医者が患者さんの評価が高いのです。

多分日本の歯科医師は保険治療で後ろめたい事をしてしまった経験を全員と言っていいほどしているはずです。
歯科医師ほぼ全員にこんな思いをさせる制度はすごい制度だと思います。
それか日本の歯医者はロクでもない人間ばかりなのか。

いずれにしても保険治療の呪縛にどっぷり浸かっている歯医者に自由診療をお願いしても材料が変わるだけなので注意が必要です。

私はなるべく真っ当な歯科医師になれるように、迷いながら試行錯誤しながら模索し続けます。

一つ付け加えると、自由診療を勧めると金儲け主義とか言われますが私が常々オブラートで包んだような言い方でこのブログ内で書き続けてきた事ですが、保険診療で一見良心的風にやる方が金儲けできることがおわかりいただけたでしょうか。きちんとやればもちろん赤字で医院の持続は不可能です。

現時点での私の感想は、歯科治療に真摯に向き合えば向き合うほど歯科医師を苦しめるのが保険治療です。

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おもて歯科医院
歯学博士
日本顕微鏡歯科学会理事
日本顕微鏡歯科学会認定指導医
日本歯科大学臨床講師
顕微鏡歯科ネットワークジャパン認定医
表 茂稔