2024
8/05
過当競争下にある歯科医院と一線を画する治療について
- 2024.08.05
- ブログ歯記
- 顕微鏡歯科治療(マイクロスコープ)
街を歩けばいたるところに歯医者はあります。
ここにも歯医者、あそこにも歯医者。
おもて歯科医院は浦安の大三角線という通りに面していますが、プライベートセミナーにお見えになる同業の歯科医師の先生方は皆さん口を揃えて「この通りは歯科医院だらけですね」と驚かれます。
令和元年に旧歯科医院から約50メートルほどの位置にある現在の場所に移転したときに、両隣の歯科医院から強い口調で難詰されました。
それほどまでに歯医者の神経はたかぶるくらい過当競争は激化しているのだと思います。
あまりにも口調が強くなり一向に収まる気配がないので私も強い口調でこう言いました。
「安心してください。先生たちと私の治療は競合しない内容なので患者の取り合いにはなりません」と。
この一言で騒ぎはおさまりました。
私には理念というかこのような歯科医療をしたいという理想があります。
歯科医院を経営する院長なら当たり前の事だと思うし、他業種の社長も理念とか理想を持って誰かの役に立ちたいと考えているのではないでしょうか。
私は顕微鏡歯科治療で歯科治療の本質とはなんであろうか、という答えを探し続けることがしたいのです。
この考えに共感してもらえる患者さんの役に立ちたいと考えています。
今通っている歯医者の予約が先になるので今日ここでみてもらえますか?
とか、顕微鏡歯科治療の内容と費用を説明し終えると同時に「ヤっばっ」と受け答えする人に私はブログでメッセージを送っていないつもりです。
動画の患者さんは東京の西から通院されている患者さんで、当院のブログを熱心に読んでくださる患者さんです。
レジン修復されている右上小臼歯2本に虫歯がありました。
今回は虫歯治療〜クラウンの装着までの動画を3回に分けてお伝えします。
レジン修復は2本に独立した形ではなく連結されていました。
今回は右上5の深くて大きい虫歯を除去した結果、部分的に神経が露出した後の処置と土台の治療までを紹介しています。
おもて歯科医院は自由診療だけでなく保険治療も行っています。
歯医者さんの中には保険治療と自由診療に差があるのなら保険医を辞退して自由診療専門医になるべきだ。
と信じている人もいるようです。
なるほど、それも一理ありますが当院の患者さんには初診時はもちろん治療説明の機会がある時に、保険のルールの範囲でできることとできないことを患者さんに阿ることなく現実をフェアに説明するようにしています。
それでも当院で治療を希望している場合は保険治療を行っているので、特に私自身矛盾を抱えるに至ってはおらずむしろ潜在的な顕微鏡歯科治療希望群だとさえ感じています。
もちろん通院患者さんの全員が顕微鏡歯科治療希望者になれば、私のキャパシティーを超えるようならお断りをせざるを得ません。
要は保険治療という分野であっても私の考えに賛同してくれている患者さんです。
前述の理念とか理想とかを別の言葉で置き換えるとしたら、私が考える歯科治療に賛同してくれる人たちの役に立ちたいということだと思います。
保険医を辞退しろと叫ぶ歯医者さんは多分保険で良心的な治療をやっていると自負している人だと思います。
その人の考えなので尊重しますが、ちょっと興味あるのは、そんな歯医者に被せ物は自費でお願いしますという患者さんが来たらなんて言うのでしょうか。
保険と自費は材料しか違いはないので保険治療にしましょう。治療の行程は保険も自費も違いはありませんと説明するのでしょうか。
この場合保険と自費治療の違いは材料のみです、という説明以外あり得ないのかな?
クラウンの場合は技術の高い歯科技工士に作製依頼するので適合が違いますとでもいうのでしょうか?
理解はできませんがライセンスを取得している歯医者さんの考えは尊重します。
ちなみに顕微鏡歯科治療は保険の効かない材料を売っているのではありません。
技術と知識です。
精神科医で夜と霧の著者であるヴィクトール・フランクルの言葉
「私は人生にまだなにを期待できるか」ではなく「人生は私になにを期待しているのか」
を考え続けることが責任なんだ。
人生が私になにを問いかけているか考えることに責任が宿ってくる。
が50半ばの私に最近響いています。
ドラマ坂の上の雲の中で秋山真之が東郷平八郎に良い指揮官とはなんですかと問うている場面がありました。
私の考えは、良い指揮官とは何かを問い続け悩み、葛藤し苦しみの中模索し続けることができる指揮官が良い指揮官という答えです。
私は顕微鏡歯科治療で歯科治療の本質とはなんであろうか、という答えを探し続けることがしたいのです。