口腔健康領域で命に関わる病気が口腔がん。
口腔がんは目で見ることができる癌です。
浦安市歯科医師会と浦安市は2019年4月から口腔がん検診OCTOPUSを始動させます。
口腔がんは目で見える癌の一つです。
口腔がんの特徴
・舌縁と歯肉(下顎>上顎)に多く発症する。
・必ずしも早期に発見されていない。特に歯肉癌
・希少がんの一つだが年々増加傾向にある。
・50歳以上の男性に多い。
・近年若年者、女性も増加している。
・喫煙や飲酒以外にも危険因子がある。
口腔癌の発生しやすい部位は舌縁と歯肉で、全体の85%を占めます。
歯肉のがんは歯周病との鑑別が難しく、舌にできる潰瘍のうち舌背にできる潰瘍はそれほど心配はいらないようです。
口腔癌は多段階発癌なので、数年から数十年を経て発症し、癌化すると月単位で進行します。
早期口腔癌は4cm以下と定義されており、肉眼と触診だけでは良性疾患との鑑別は難しい。
早期の舌癌は発見しやすいが、歯肉癌は歯周病との鑑別が難しく発見しずらいようです。
歯肉癌の特徴は表面が粗造でやや紅味を帯びており、こすると出血しやすいようです。
日本での全体的ながん患者は増加していますが、年齢調整をすると実は減少傾向にあります。
高齢者が増加するとどうしても癌患者は多くなるようです。
その中で口腔癌は増加傾向にあります。
最近ではAYA世代という子供~若い大人世代にも口腔癌は増加しているそうです。
海外ではHPVの関連が考えられています。
口腔癌の危険因子は、喫煙や飲酒以外にも不適合な義歯や歯の鋭縁、歯周病や虫歯の放置、歯列の舌側傾斜などが考えられています。
口腔粘膜疾患の見方のポイントは視診と触診です。
・色 白と赤
・形 表面の粗造感や不均一感
・硬さ 周囲の硬結
・機能 知覚と運動神経
色は白より赤が怖いようです。
口腔癌の主な治療法は切除療法になります。
大きく切除すれば術後の機能障害はとても深刻です。
だから小さいうちに早期に発見することがとても大事なのです。
浦安市歯科医師会は何年も前から、浦安市に市民の口腔がん検診の実施を呼びかけていましたが、内田市長になってからトントン拍子に話が進んだようです。
内田市長は千葉県議会議員時代から福祉に関心を持たれていたので、市長ご自身も口腔がん検診の実施を熱望しておられたようです。
この取組をおこなうために、浦安市歯科医師会の会長をはじめ、担当した会員の先生は多大な労力を払ってやっとこの4月から始動します。
浦安市の口腔がん検診の名称は
OCTOPUS オクトパス
Oral Cancer Thorough Observation Project Urayasu System
OCTOPUSの目的
日常の歯科診療において、歯科医師が口腔粘膜の診察にも目を向け、口腔がんを早期に発見することを目的とする浦安市独自のシステム
東京歯科大学市川病院のボランティア的な協力も頂き、4月から実施されます。
今年1年は900人分の予算が得られました。
来年度はまだ未定ですが、この検診は必ず浦安市民の健康に関係しますので継続的な実施が行われるよう、身を引き締めて取り組みたいと思います。
対象は40歳以上の浦安市民です。検診費用:無料
私はこのOCTOPUSの制度管理委員として携わっていますが、この検診制度を広く市民に伝えられるよう、目下委員会で検討中です。
この事業は浦安市歯科医師会、行政、浦安市民の協力とご理解の上で成り立ちます。
新しい事業が継続して運営できるように頑張りたいと思います。