おもて歯科医院には顕微鏡歯科治療を希望して受診される患者さんもいますし、受診して初めて顕微鏡歯科治療を知ったという患者さんも多いです。
今回は当院に受診して初めて顕微鏡歯科治療を知った患者さんの顕微鏡精密レジン充填を紹介します。

今回の患者さんは40代男性で、私達が診療終了後の片付けをしている時に
「治療の予約を取りたいんですけど」とお見えになられた時が最初の出会いでした。

後日診察の時にお話を伺うと、右上の歯茎が腫れているとのことでした。

過去に行った根管治療がうまくいってないようで歯の周りの骨が膿んでいました。

顕微鏡根管治療(マイクロエンド)の説明をすると、この治療法で進めていきたいと希望されました。

治療直後から具合が良くなるのを実感され、他の悪くなっている歯の治療も顕微鏡治療で進めていきたいと希望されました。

過去に受けて来られた日本のスタンダードな保険治療との違いをはっきり認識されている患者さんで、私達も精一杯患者さんの要望にお応えしたいと思ってます。

顕微鏡治療を進めていく中で費用のお話はとても大事なことなので、しっかりとお話しをします。
虫歯は短期間で急激に進むものではなく、特に大人の場合は慢性なので患者さんの経済的な負担も考慮しながら治療の計画を立てて行きました。

私達が大事にしていることは患者さんが言いづらそうな内容でも、気軽に相談できる雰囲気づくり、言い方を変えれば信頼関係とでも言いますでしょうか。

今回のレジン充填は患者さんにとって数本目の顕微鏡歯科治療になります。
一年ほど前に隣の歯の虫歯を顕微鏡治療した時に虫歯の存在はわかっていましたが、その当時治療する前に患者さんと十分お話をして、後日治療するということになった歯が今回の歯です。

念のためですが、当院は顕微鏡を使って治療しています。
たまに電話で「顕微鏡を使って治療してくれますか」との問い合わせがあります。
聞けば、ホームページで全ての治療を顕微鏡でやりますという歯科医院にいっても全く使ってくれなかったのでとのことでした。

顕微鏡にカメラを装備することで術者の視点がそのまま動画で見ることができます。
この動画はまさに私が治療して見ている視界そのままなのです。

患歯は右下の歯で、歯と歯の間に虫歯があります。
今回はここに虫歯があることはわかっていましたが、通常はこの虫歯を探し出すわけです。

レントゲン写真でもなかなか診断できない場合も多いので、直接視診で虫歯を検出する方が確実性は上がります。

歯と歯の間の虫歯は特に見つけ出すことは難しい場所ですので、顕微鏡はなくてはならないものです。
皆さんの中できちんと定期検診に行っていたのに、ある日突然大きな虫歯があると言われた経験をお持ちの方もいるかと思いますが、もしかしたらこういう場所の虫歯だったかもしれませんね。

虫歯を削る時は歯を見ながら削らなければいけません。
当たり前だと思いますよね。

実はそうではないんです。
もう何度もブログで指摘していますが、必ず死角ができるので手探りで削ることが多いのです。

ここで起こりうることは、
・虫歯の取り残し
・健康な歯の過剰切削
・隣の歯を削ってしまう誤切削
などが考えられます。

虫歯を削り取った後の隣の歯には一切誤切削はありません。
一年ほど前のレジン充填の適合精度もよく、レジンと歯の境界に褐線もありません。

誤切削された歯の虫歯になるリスクは通常より3倍ほど高くなるそうです。
日頃誤切削と見られる歯を多く見ます。
傷がついたというよりも明らかに削られているという歯を見ることも珍しいことではありません。
死角で見えないということは恐いことです。

虫歯を取り除いた後は過不足なくレジンを充填することがとても重要です。

レジンを過剰に充填して後から削って形態修正をするという考え方もありますが、歯と歯の間にはレジンを充填した後に形態修正するための器具が入るスペースはほとんどありません。
たとえ薄いフィルム状の紙ヤスリを通してもうまく行っていないと思います。

歯と歯の間の歯肉に近い部分は一発勝負で、後で修正は効かないところだと私は認識しています。

どうしてそこにこだわるかというと、歯と歯の間は自分でお手入れし難いところなので不潔域になります。

ですから歯垢が停滞するような余計な要因はなるべく排除したいと考えると、この方法が一番理にかなっていると考えています。

不潔域に段差や隙間のあるレジン充填は虫歯予防の邪魔になるレジン充填です。

メタルのマトリックスは厚みは薄いですがその硬さゆえに歯の形に合わせられないことが多いことが欠点だと思います。

この方法はラバーウェッジ法という三橋先生が考案した方法です。

三橋先生は精密コンポジットレジンのハンズオンセミナーを開催しており、私もインストラクターとしてお手伝いしています。

歯科医師でこの方法を習得したい先生はセミナー受講をお勧めします。

日程が合わなかったりマンツーマンで受講したい先生は当院でハンズオンセミナーを行いますのでご相談ください。

私がこだわるのは不潔域の適合精度です。

これが治療した後に長持ちするための大事な要点だと考えています。

レジン修復の適応症ですが、奥歯ではできるだけ小さな範囲にとどまることが適応だと思います。
咬みあう面が大きいとレジンの適応ではなくクラウンが適応と考えていますが、そこは患者さんとの話し合いになります。

限局した虫歯ならレジン修復は第一選択の治療法に間違いはないのですが、咬合面を広く覆うことになると、経年的な磨り減りや咬合接触点の設定、特にブレーシングイコライザーの付与は不可能なので私はクラウンにすることが多いです。

患者さんには人それぞれの背景がありますので、今回の患者さんのようになんでも相談してください。

おもて歯科医院は焦らずにゆっくりと細くながくお付き合いができる歯科医院です。