2019
5/12
令和元年5月6日に移転オープンしました!
- 2019.05.12
- ブログ歯記
- 顕微鏡歯科治療(マイクロスコープ)
平成19年(2007年)におもて歯科医院が開院しました。
13年ほどの勤務医を経ての開業でした。
その13年は保険診療の歯科治療で、様々な矛盾を感じ、本当の意味で歯科医師の良心とはなんなのかをおぼろげながら問い続けた期間でした。
開業して12年の間に、その答えは見つかりました。
次のステップとして移転開業し、私なりの歯科医療のあり方を具現化したいと考えています。
色々な縁があり、この度移転することに相成りました。
当院にいらした患者さん一人ひとりの支えによってなり得たことに感謝いたします。
この10連休は学会発表、認定指導医試験、移転と、非常に濃密な期間になり、私の一生の思い出になりそうです。
私は大学を卒業し、歯科医師国家試験に合格してごく当たり前のように歯科医療に従事しました。
私が初めて見た歯科医療の世界は、保険治療という日本特有の世界でした。
24歳の私はなんの疑問も抱かずに、早く一人前の歯科医師になりたいと先輩の先生方に親切に教えていただきました。
その当時大学院生でもあったので、大学病院での保険診療と開業医でのアルバイト先での保険診療をしていました。
衝撃的なのは開業医での保険診療でした。
保険で治療してくれる歯医者が本当に良心的なのであろうか。
これには2つの視点があります。
一つは技術的な点。
・一流の歯科医師が治療しても新卒が治療しても治療費が同じ。
ということは、保険治療に「技術」という概念が希薄、もしくは皆無ということ。
・世界最安の治療費。
以前ミートホープの食肉偽装事件での社長の言葉で
「安値を求めてきた消費者にも責任がある」
と発言し批判を集めましたが、私は現在、歯科医療において、実現不可能な安い価格の設定は、嘘をつくか、見ざる聞かざるになるか、他の方法を提案するしか無いと考えています。
二つ目の点。
これは24歳の私には衝撃的で、今でもそのことがトラウマになっているし反面教師となって現在のような考えに至っています。
それは保険の治療費の不実な請求です。
保険はなにか処置をしないと治療費を頂けません。
患者さんの悩みを聞いたり、説明したり、相談にのっても0円です。
虫歯の処置を3分で終わらせても、30分かけて丁寧に治療したとしても、治療費は同じです。
もともと保険治療費は安いので、いくらかを上乗せする習慣。
割と少なくない歯医者が、「我々はボランティアで治療しているので、それくらいは当然だ」と考えているようです。
24歳の新米歯科医師の私に、アルバイト先の院長は、 「お前も共犯だからな。詐欺罪と公文書偽造だぞ」といいました。
衝撃的でした。
このことがきっかけで、きちんとしたことを正直に行い、患者さんに嘘をつかない歯科医療はどうすれば実現できるのか、私はこの答えを探し求めて彷徨いました。
他業種へトラバーユしようとも真剣に考えた時期もありました。
このようなことが歯科業界で蔓延し、常態化していたら、決して歯科医師は尊敬される職業には永久になれないと思いました。
悶々としながら、開業すれば院長の自分が考える歯科医院づくりができると考え、平成19年に開業しました。
私が幸運だったのは、開業して間もなく顕微鏡に出会えたことです。
顕微鏡治療こそが私が彷徨い探し求めていた答えになるに違いないと、確信しました。
さらに私の人生の財産といえる、人との出会いも。
同じ志を持つ歯科医師に出会えたことが、何よりの幸運です。
顕微鏡治療で自分が探していた答えを出すために、技術の研鑽と知識の集積をできる限り、積極的に行いました。 現在も行っています。
そして何よりもこの格言。
・道徳なき経済は犯罪であり、経済なき道徳は寝言である。
二宮尊徳
・道徳なき治療は犯罪であり、経済なき治療は寝言である。
三橋 純
正直な歯科治療のためには、自由診療でそれなりの治療費が必要だと、ごく自然に考えられるようになりました。
当院は保険治療も行っています。
その理由はブログでも何回も記載していますのでよかったら御覧ください。
当院の保険治療では、できることとできないことをはっきり患者さんにお伝えしています。
他院に通院していた患者さんは、最初は戸惑うかもしれませんが、どの患者さんに対しても正直でありたいと考えると、現状これがベストなのかな、と考えています。
こうして顕微鏡歯科治療とともに歩んできた開業12年の次の第二幕として、移転開業した次第です。
今まで、自分の歯科医院や三橋先生が行っている顕微鏡歯科治療は、ごく当たり前のことだと思っていましたが、そうでもないことが今回の学会発表、認定指導医試験で感じました。
レジン修復
根管治療
クラウン・ブリッジ
歯周病治療
親知らず・埋伏歯抜歯
など、一般歯科でおこなう治療を顕微鏡治療で高いレベルで行うことができます。
新たな歯科医院では、その特別な顕微鏡歯科治療を受けてもらうための特別診療室を設けました。
完全個室です。
旧歯科医院があまりにも特別感がなかったですもんね笑。
顕微鏡が身近にある歯科医院なので、顕微鏡治療はどういうものなの? と興味がある方は是非ご来院ください。
保険診療でも顕微鏡で説明していますよ!