皆さんが顕微鏡歯科治療に求めていることはどのようなことでしょうか。
まさか顕微鏡歯科治療と言いながら手探り治療をされているとは思ってもいませんよね。

顕微鏡歯科治療とは見ながら治療することに価値がある。
この一言に尽きます。

我々は見えないものは治療ができない。

もし見えていないのに治療ができているという歯医者がいるのなら、よほど傲慢な歯医者か
全くわかっていない歯医者なのだろう。

顕微鏡を使って手探り治療とは全く理解できない。

しかし多くの顕微鏡歯科治療と称する治療法は死角に対して全く配慮せず、盲目下での手探り治療を行っているのが現状だ。

何が問題なのか?

そう、問題がすぐに発覚しないから問題なのである。
たとえ虫歯が取り残されようとも、健康な歯を多く削りすぎたとしても、隣在歯を誤って削ってしまっても、適合の悪い修復物を装着しようともすぐには問題が発覚しないのである。
時間が歯医者の過失を許してしまうのである。

YouTube上にもたくさんの顕微鏡を使用している歯科治療動画が出ているが、見るに堪えない。
ここまで手探りの顕微鏡を使用した歯科治療が増えると危機感を持ってしまう。
そのコメント欄には一般の人から絶賛のコメントが。

こうして悪貨が良貨を駆逐していくのだろう。

一般の人であれば初めて見る歯の治療に驚くのは無理もありません。
しかし歯科医療従事者が盲目的治療の歯の風景を見て何も感じない不感症では困り果てます。

手探りの顕微鏡を使用した治療は、見ながら治療するのではなく治療している風景を見ているのである。
もっとも、手探りを治療と言っていいのかも疑問だが。

なぜこのような事態になっているのか。
答えはミラーテクニックの習得が難しいからである。

経験豊富な歯医者にはそれ相応のプライドもあるでしょう。
今更トレーニングをしてミラーテクニックを習得する気力も無いのかもしれません。

全ては患者様のために。

このような耳に心地よいキャッチフレーズをよく目にするが、本当に患者のためを考えるなら
ミラーテクニックを習得して手探り治療から脱却するべきである。
患者のために努力するべきだ。

この手探りの顕微鏡を使用する治療を表す言葉として「直視」という言葉が使われている。
本来「直視」とは盲目的な治療のことを意味していない。
彼らは単純に目で直接見ることを直視という言葉で表しているようだ。
それが盲目的でも直接目で覗けば、それが直視になるわけだ。

顕微鏡でも直接顕微鏡で見ることを直視というらしい。
たとえ盲目下であっても。

あえて言おう。
盲目下で顕微鏡を使う歯科治療は決して顕微鏡歯科治療ではない。

おもて歯科医院
歯学博士
日本顕微鏡歯科学会認定指導医
顕微鏡歯科ネットワークジャパン認定医
表 茂稔