私が埋伏智歯抜歯を積極的に行うようになったのは、CTとMotorized microscopeを導入してからです。
従来の盲目的手探り抜歯に抵抗があったためです。

私がかつて勤務していた歯科医院は、口腔外科医が週一出勤で埋伏智歯抜歯を行なっており、翌日の消毒や抜糸を常勤の私が行なっておりました。
かなりの割合の患者さんが術後の痛みや腫れに悶えていたのを見てきたので、とても手探りで埋伏智歯抜歯をする気にはなりませんでした。

私の顕微鏡歯科治療歴14年のうちその半分である7年間Manual microscopeでしたが,Motorized microscopeとは雲泥の差です。
私はもう2度とManual microscopeには戻れません。
治療の質の差がはっきりと出てきます。

勤務時代は患者さんの痛みや腫れに目がいきがちでしたが、手前の歯の周囲の骨を温存することもとても大事であることを強調したいです。

幸い今のところ埋伏智歯抜歯をした患者さんは、勤務医時代に見た痛みや腫れに悶える患者さんはいらっしゃらなく、ほとんどが何ともないか軽度の痛みくらいです。

2017年の症例ですが、この当時顕微鏡で盲目的に抜歯をされている歯科医師はいましたが見ながら抜歯ができる歯科医師の症例動画は見る機会がなかったので、どのように低侵襲に進めるのか試行錯誤しなが行いました。

これはボリュームレンダリングです。
そこそこ歯冠が骨に埋まっています。

教科書的には歯冠の最大豊隆部まで骨を削り落とします。
こちらはCTの前頭断です。

術者によって程度の差はあれど、赤丸部分の骨を削除します。
歯を抜いた穴、抜歯窩に溜まった血液が骨を再生しますが低くなった頬側の骨では抜歯窩に十分な血液が溜まりません。

だから頬側の骨の高さを減じずに歯冠を分割する方法が良いのです。

6年後のレントゲン写真です。
手前の歯の後ろの骨の高さは全体的な骨縁と連続的・移行的で、歯根膜腔も確認できます。

当院の埋伏智歯抜歯は難易度によって5~15万円ほどです。
今回の症例は約8万円です。

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おもて歯科医院
歯学博士
日本顕微鏡歯科学会理事
日本顕微鏡歯科学会認定指導医
日本歯科大学臨床講師
顕微鏡歯科ネットワークジャパン認定医
表 茂稔