2024
2/01
痛みをとるだけではなく根管治療後のことをことを考える根管治療
- 2024.02.01
- ブログ歯記
- MTAセメント・ マイクロエンド・ 顕微鏡歯科治療(マイクロスコープ)
この数日間前歯の激しい痛みがあるとのことで来院。
レントゲン写真とCTを撮影するも、隣同士の2本の歯が同じくらい骨が壊れていてどちらが原因か迷うところ。
問診、触診を丁寧に行い左側を治療することになりました。
CTでは唇側の骨は薄皮一枚残っていますが、そこそこの大きさの病変(骨の破壊)でした。
原因は細菌なので根管内から感染源を取り除き、根管治療後は適合の良いコアとクラウンを装着する治療予定を立てました。
術前の状態
前装冠を外すと感染歯質に囲まれたメタルコアがあります。
レントゲン写真では長いポスト(ダウエル)のコアなので除去の仕方に注意しなければいけません。
唇側の歯質は薄くてペラペラで汚染しているので、これを除去した後の健全歯質がフェルールになります。
ドライバーを使う除去法もありますが破折の危険性を少しでも回避すること、少ないフェルールを温存するためにメタルだけを削り取る除去法を行いました。
根管治療が成功した後に大事なことは適合の良いクラウンを装着することです。
さもないと漏洩によりクラウン内部、つまり歯が汚染されてしまいます。
フェルールは良好な修復物を装着するのに大事な要素になります。
バーがブレないように視覚と手指感覚を最大にして深部のメタルを除去します。
バーが届かないほどの長いポストだった場合は最終兵器を使いますが、今回はバーで安全に除去できました。
感染歯質をさらに除去します。
これはクラウンが不適合による漏洩からくるものなのか取り残しなのか分かりませんが、1日何十人も治療しないといけない保険治療では仕方のないことなのでしょうか。
根管治療中の仮歯を装着できるように隔壁を設置します。
これでようやく根管治療に入ります。
ガッタパーチャ(ゴムの詰め物)を完全除去します。
ガッタパーチャを除去している途中根尖方向からフワッと膿が上がってきました。
除去したガッタパーチャ
治療第1日目は仮歯を作製するところまで行いました。
次の来院時には痛みは全く消えており患者さんはたいへん喜んでいました。
治療第2日目で根管充填
根管充填後のレントゲン写真
根管治療、仮歯治療費 約20万円
おもて歯科医院
歯学博士
表 茂稔