2021
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衛生的診療環境
- 2021.01.07
- ブログ歯記
- 顕微鏡歯科治療(マイクロスコープ)
当院は開業当初から衛生的な環境の中で診療ができるように取り組んできました。
再び緊急事態宣言が出されるようですが、おもて歯科医院の衛生面での取り組みを紹介します。
おもて歯科医院では開業当初の13年前からクラスBオートクレーブとウォッシャディスインフェクターを導入しておりました。
その当時の同業者にこれらの衛生機器について話をしても全く通じないくらい時代を先取りしていました。
現在では多くの歯科医院で取り入れているようです。
歯科医師は患者さんの口腔内に手を入れます。
その指先には唾液や血液がついている事があります。
その指先で器具を取るために引き出しを開けたり瓶の蓋を外したら、どう思いますか?
もしその患者さんが何かの感染症にかかっていたら、引き出しや瓶の蓋などは汚染されてしまします。
次に治療する患者さんに前の患者さんの細菌やウィルスを移してしまったら、医療機関としてはなんとも情けない事でしょう。
おもて歯科医院では開業当初から、歯科医師は治療途中決して引き出しや瓶の蓋を外しません。
それらは全てアシスタントが行います。
どうしても人手が足りない場合は手袋を外して器具を取り出します。
当院の治療台のテーブルには薬の瓶や歯を削るドリル、根の治療に使うファイルなどは一切置いてていません。
スプレーするシリンジも取っ手ごと丸ごと患者さんごとに交換しています。
歯科医師が触れるものは全て、患者さんごとに交換しています。
これは保険治療ではなく自由診療だからできる事です。
衛生面に費用を費やす事ができるからです。
とにかく歯科治療器具は高価です。
それを何個も用意する初期投資、滅菌、ディスポーザブル、上記のオートクレーブやウォッシャーなど、かなりのお金を要します。
でも、保険治療費は何十年も低額のまま国はほっぽったらかしです。
国民の歯科治療への関心の無さなのか、歯科医師会の力不足なのかわかりません。
歯科医師会も国との折衝で頑張っているらしいのは皆さんも知ってくださいね。
質を上げれば必ずお金が必要になる。
そのお金を誰かが負担せねばいけない。
私個人の考えでは、歯科治療に限っては、もう国には期待していません。
これは何十年もの経緯を見ればわかると思います。
だから、質が高く安全で安心できる歯科治療をお望みの患者さんは、ご自身が治療費を負担する自由診療をお勧めします。
血液、唾液には病原性の細菌やウィルスが潜んでいる事があります。
頭の中ではわかっていたにも関わらず、私は普通に患者さんにうがいをさせていました。
今回の新型コロナウィルスで目が覚めました。
おもて歯科医院内ではうがいを禁止し、患者さんご自身の指を口の中に入れることもご遠慮頂いています。
どこが痛いですか?と聞くとご自身の指を口の中に入れて教えてくれる患者さんは割と多いです。
その患者さんがドアノブなどを触れば、次にドアノブを触った人の手が汚染されます。
うがいをすれば吐き出します。
吐き出したその周辺は目には見えない飛沫が沢山散らばります。
医療従事者にも危険が及び他の患者さんも危険に晒されるためうがい禁止を決断しました。
歯科治療に関係する感染経路には
・接触感染
・飛沫感染
・空気感染
の3つがあります。
接触感染を防ぐためには患者さん毎に器具を交換したりスリーブやドレープで歯科医師が手を触れ
る部分を交換します。
アシスタントに器具出しして貰うことも人件費がかかりますが重要です。
歯科治療にとって飛沫対策は弱点でした。
歯を削る、歯石を取るなど沢山の飛沫が飛び散ります。
それが今回の新型コロナウィルスによって大きく変化しました。
横浜の内田先生が考案し、下高井戸の三橋純先生が改良したマイクロドレープです。
現在考えられる中で最高だと思いませんか!?
マイクロドレープでかなりの飛沫を抑える事ができます。
今まで飛沫の曝露に晒されていた私たち歯科医療従事者の安全・安心は飛躍的に高くなりました。
私たちが安全・安心だから多くの患者さんの安全・安心に繋がります。
さらにマイクロドレープに加えて、私の前面である腹部への保護の役割をしているアンダードレープもつけています。
これは患者さんの背中から頭の上を通りマイクロドレープの輪っかにクリップで留めています。
顕微鏡もマイクロドレープで覆われているので清潔さが保たれます。
アシスタントの脚部の保護にもドレープをしています。
以前口腔外バキュームも併用していましたが、バキュームホース内部の消毒ができないことと排気に気掛かりな事があるので今では使用していません。
何よりも音がうるさくて毎日使うと気が滅入ります。
飛沫対策はこれで一つ形になりました。
今後も改良点があれば改善していきます。
残るは空気感染です。
空気中を漂う微細な粒子です。
飛沫はウィルスなどを核にして周囲は水分などで覆われています。
飛沫で飛び散った後水分は蒸発してウィルスなどが空気中を漂います。
おもて歯科医院の顕微鏡治療は個室ですが、この部屋は常時オゾンを発生させて少しでも空気感染の可能性を低くするように務めています。
この装置は低濃度のオゾン発生装置なので健康上の心配はないと言われています。
医院全体としては診療終了後に高濃度のオゾン発生装置を使用しています。
私たちの取り組みを大袈裟だと思う人もいるでしょう。
どうぞ勝手に笑ってください。
私はこの取り組みをおもて歯科医院の診療のスタンダードにします。
様々な情報媒体によって歯科治療は感染リスクが高く怖くていけないと考えている患者さんも多いと思います。
私達の取り組みも100%安全ではありませんが、もし歯科治療を受けるのであれば少しでも安心してもらえるように取り組んでいきます。